
市区町村が生活道路において交通安全施設の種類を決める際、警察から提案を受けたりしているのでしょうか。
警察は交通安全のプロであり、定期的な人事異動がある市区町村の職員よりは、事故防止に詳しいようなイメージがあるのですが。。。
総務省行政評価局が行った「生活道路における交通安全対策に関する政策評価」の結果報告書から見ていきます。
市区町村が都道府県警察から施設整備の提案を受けている割合は、「おおむね受けている」32.9%、「一部で受けている」48.9%で、合わせて約8割が何らかの提案を受けています。
これは、市区町村(道路管理者)が警察(交通管理者)と連携しながら施設整備を進めている実態を示しています。

警察からの提案が行われる機会として次の4つが多く挙げられ、「現地診断」が最も多く、約8割の市区町村が参加経験があるとしています。
- 現地診断に参加した場合
死亡事故等の重大事故が発生した場合、警察は、市区町村等の道路管理者と連携して現地診断を行い、道路交通環境の改善などの事故防止対策を検討しています。その際、市区町村に施設整備の提案などが行われます。 - 警察に住民要望が寄せられた場合
住民から警察に寄せられた施設整備の要望を踏まえ、市区町村へ施設整備の提案が行われます。 - 交通規制が困難だが対策が必要と判断された場合
警察による規制では対応できない危険箇所に対し、市区町村へ施設整備の提案が行われます。 - 事故多発箇所など警察が危険箇所を把握した場合
警察が把握・分析した事故多発箇所や潜在的高リスク箇所について、市区町村へ施設整備の提案が行われます。
ほかにも、事故多発箇所について、交通量、事故概要、事故防止のための対策案などが毎年警察から市区町村に示され、施設内容の検討に役立っている事例(寒川町)があります。
総務省は、全国の都道府県警察も調査しており、警察では、市区町村への施設整備の提案に関して次のような取組みが行われていました。
- 交通事故統計情報のオープンデータには含まれない事故情報の提供
11の都道府県警察では、市区町村からの照会に応じて、事故要因、当事者の年齢、進行方向など詳細情報を提供しています。
これらを提供していない警察でも「提供した方がよい」という肯定的意見が多い一方、業務負担や個別情報提供への慎重姿勢もみられます。 - 警察本部から警察署への指示
37の都道府県警察本部は、警察署に対し市区町村への提案・助言を行うよう指示しています。例えば、事故分析に基づく効果的な施設整備の提案、他自治体の整備事例を踏まえた助言、法定外表示に関する提案、潜在的高リスク箇所への有効な対策案の提案などです。 - 現地診断での取組
現地診断は、死亡事故や重大事故のほか、事故多発箇所、多数の負傷者が出た事故が対象となっています。 市区町村道で行われる現地診断では、約7割の警察が原則全てのケースで市区町村に参加要請するとしています。
さらに、診断結果を他市区町村にも共有する警察署もあり、同様の課題を持つ地域での対策に活用されることを見込んでいます。 - 現地診断以外での提案
岩手県警察:事故要因の分析結果に基づき、適切な施設整備を提案
秋田中央警察署:自転車事故の多発交差点にボラード設置を提案
東村山警察署:自転車ストップマークや注意喚起看板の整備を提案
都道府県警察は、事故分析や現地診断を通じて市区町村へ積極的に施設整備の提案を行っており、市区町村の約8割がその提案を受けています。
警察からの提案は、事故防止に向けた重要な支援となっており、警察と市区町村の連携が交通安全対策の質を高めていると思います。






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