
子どもが登下校中に交通事故に巻き込まれる事例は、全国で毎年発生しています。
横断歩道で車が停止せず接触したり、見通しの悪い交差点で自転車と衝突したりと、通学路には一定のリスクが存在します。
こうした状況を踏まえ、学校や自治体では通学路の安全確保に向けた取り組みが続けられており、その一つが地域による見守り活動です。
しかし、共働き世帯の増加や地域の高齢化などにより、見守りの担い手を十分に確保できない市区町村が増えています。限られた人員でどこを重点的に見守るべきかという課題が生じており、その判断材料として事故データを活用する必要性が指摘されています。
総務省行政評価局が行った「生活道路における交通安全対策に関する政策評価」の調査結果から、通学路における見守り活動の現状を見ていきます。
登下校時の見守り活動は、地域の保護者やボランティアにより、交通量が多い場所や保護者が危険と判断した箇所を中心に実施されていました。
しかし、共働き家庭の増加や地域住民の高齢化、定年延長などにより担い手の確保が難しく、市区町村の教育委員会からは、「配置が望まれる箇所の全てには配置できない」「特に下校時の人手が不足している」との声が多く聞かれます。
一方で、事故データを活用して見守り箇所を選定することで、限られた人員でも効率的・効果的に安全を確保できるのではないかという意見も出ています。
実際に、愛知県小牧市教育委員会では、警察が公表する「小学校区別安全マップ」(歩行者・自転車事故発生箇所や危険箇所を記載)を活用して見守り箇所を決定しています。
また、警察による情報提供の事例も多くみられます。
- 大宮警察署は、過去5年間の小学校から半径1km以内の事故発生箇所を情報提供
- 鴻巣警察署は、登下校時間帯の人身事故発生箇所をウェブサイトで公開
- 松戸・富士吉田・長野中央の各警察署は、事故発生箇所、事故多発箇所、重大事故発生箇所などを学校に提供
- 千葉県警察では通学路合同点検の結果をもとに見守りが必要な箇所を抽出
こうした事例は、見守り活動を「経験や感覚」だけでなく、事故データに基づいて実施することで、限られた人数で、より効果的な安全確保が可能になることを示しています。
今後は、教育委員会・警察・地域が連携し、データを活用した科学的な見守り体制の構築が求められているのではないでしょうか。

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