
事故リスクが高い箇所として、事故多発箇所と事故が起こりそうな箇所があります。
生活道路に交通安全施設を整備する箇所を決める際、ほとんどの市区町村は、事故リスクが高い箇所を住民からの要望や通学路合同点検によって抽出していますが、中には、それに加えて各種のデータを使って抽出している市区町村もあります。
総務省行政評価局が行った「生活道路における交通安全対策に関する政策評価」の結果報告書から詳しく見ていきます。
市区町村がデータを使って事故多発箇所を抽出しようとしているかどうかは、次のようなものでした。

- 交通事故統計情報のオープンデータや警察が公開している事故マップなどを活用し、概ね全域の事故多発箇所を抽出している市区町村は全体の2割にとどまっている。
- 警察から提供された情報など、限られた範囲のデータに基づき、一部の事故多発箇所だけを抽出している市区町村が全体の約半数を占めている。
- データを使った事故多発箇所の抽出をほとんど行っていない市区町村が3割を超えている。
このように、多くの市区町村では、事故多発箇所の抽出が全域には十分に行き届いておらず、データ活用の度合いにも大きなバラツキがあるのが現状です。
では、なぜこのようなバラツキが出ているのかの理由を探っていきます。
まず、概ね全域の事故多発箇所を抽出している市区町村では、交通事故統計情報のオープンデータの活用、警察からの事故データの入手、警察が公開している交通事故マップの確認などにより抽出しています。
一方、一部の事故多発箇所のみ抽出している市区町村では、警察から提供された情報や警察への照会を通じて断片的に把握するにとどまっています。
抽出が不十分又は抽出していない理由としては、次のようなものが多数を占めています。
- 住民要望への対応が優先で、要望がなければ事故多発箇所でも交通安全施設を整備しにくい。
- 住民要望の中に事故多発箇所も含まれると考え、改めて抽出する必要を感じない。
- 住民要望への対応に手一杯。抽出するためのマンパワーやスキルが不足している。
また、「事故多発箇所に施設を整備しても事故減少につながるか不明」「警察から施設を整備した方がいいといった提案がなく、整備の必要性を感じない」とする市区町村もあり、事故データの活用姿勢にも大きなバラツキがみられます。
同じ交通安全施設の整備という仕事をしていても、市区町村によってこんなにも考え方の違いがあるのですね。

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