
国が定めた第11次交通安全基本計画では、交通事故の多いエリアに対し、国・自治体・地域住民が連携して効果的な対策を行うことが求められていて、そのためには、市区町村は事故の発生箇所を把握しておくことが必要と考えられます。
生活道路での交通安全対策を行う市区町村が事故の発生箇所を把握しているかどうかを総務省行政評価局が調査したところ、次のような問題が指摘されています。「生活道路における交通安全対策に関する政策評価」の結果報告書から見ていきます。
総務省が調査した413市区町村のうち、 事故発生箇所を「おおむね把握している」と回答した割合は20.6%にとどまり、「ほとんど把握していない」が22.3%と、把握状況には大きなばらつきがみられた。
事故発生箇所を把握するためには、国が公開する交通事故統計情報のオープンデータや、都道府県警察が作成する交通事故マップを活用することが有効と考えられる。
しかし、これらの存在自体について、オープンデータでは61.3%、事故マップでは35.5%の市区町村が「知らない」と回答しており、認知不足が課題となっている。
さらに、オープンデータを活用する上で、「使い方が分からない」「分析や地図化をしようとしても、そのスキルがなかったり、そのための時間がない」といった声も多く、技術的・人的リソースの不足が障壁となっていた。
調査した際に、総務省が作成したオープンデータの地図化のための手順書を示し、作った地図を見せたところ、活用に前向きな市区町村と困難とする市区町村が半々にわかれた。
一方、警察の事故マップは、市区町村側で地図化する作業が不要で、時期的にもオープンデータよりも早く事故情報を把握できるといった利点がある。
しかし、掲載内容を見ると、市区町村が交通安全施設の整備に活用するには情報が不十分なケースもあった。
- 情報の検索機能がない。
- 直近2年分しか情報が掲載されていない。
- 死亡事故の情報しか掲載されていない。
市区町村からは、次のような改善要望が聞かれた。
- 掲載される情報が過去2年~3年分では短すぎる。
- 情報が少なく、車両の種類(乗用車、二輪車等)、相手別(車両対人等)、規制の有無(一時停止、最高速度等)などオープンデータにある他の情報も掲載してほしい。
- 更新時期を早めてほしい。
これらを踏まえると、市区町村が必要とする情報を十分に閲覧できるよう、事故マップの情報充実や更新頻度の向上を図ることが、事故再発防止の推進に効果的と考えられる。
なお、事故発生箇所の把握状況と事故減少率(令和元〜4年)を比較すると、事故発生箇所を把握している市区町村の方が事故減少率が高い傾向がみられた。これは、事故情報の把握が実際の事故減少に寄与している可能性を示唆している。
こういった調査結果をみると、市区町村がデータを活用しようという発想がそもそもなかったり、活用しようとしてもいろいろ苦労があることがうかがえます。一体、今後どうなっていくのでしょうか。。。
警察から逐一事故の情報をもらって把握するというのは、人手不足の警察にとっても市区町村にとっても負担が大きいでしょうから、いかにデータを活用していくかが今後の目指す道ではないでしょうか。


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