
交通事故のリスクが高い箇所として、事故多発箇所と今後、事故が起こりそうな箇所(潜在的高リスク箇所)があり、前回のブログでは、市区町村が事故多発箇所を各種のデータを使って抽出しているかどうかについて書きました。
今回は、事故が起こりそうな箇所の抽出について、総務省行政評価局が行った「生活道路における交通安全対策に関する政策評価」の結果報告書から詳しく見ていきます。
市区町村は、データを使って事故が起こりそうな箇所を抽出しようとしているのでしょうか。その結果は、次のようなものでした。

- データによる抽出をほとんど行っていない市区町村が6割を超えている。
- データを使って概ね全域から抽出している市区町村は5%にとどまっている。
- データを使って一部の地域からだけ抽出している市区町村も3割しかない。
事故が起こりそうな箇所をデータで見つける方法としては、国の役所(国道事務所)に頼んでETC2.0の走行データを加工した情報をもらったり、民間会社が集めた車の走行データを入手していました。
これらのデータからは、次のような危険の手がかりが得られます。
- 車の急な動き(急ブレーキ、急アクセル、急ハンドル)が起きた場所とその回数
- 車の平均速度、制限速度を超えて走っている車の割合、交差点や一時停止線を通過するときの速度
- 車が実際にどの道を通って走ったかという走行経路
- 車に付いている安全装置が、前方衝突や車線逸脱、歩行者との衝突の危険を察知して警告を出した場所とその回数
これらを組み合わせることで、表面上は事故が起きていなくても、事故が起こりそうな危険な箇所を抽出しようとしています。
抽出している市区町村では、ETC2.0や民間会社が集めた車の走行データにある急ブレーキや急ハンドルなどの「ヒヤッとした動き」や車の速度を地図に重ねることで「事故が起きそうな場所」を見つけていました。

また、交通安全対策に力を入れているゾーン30のエリアや生活道路対策エリアのうちの必要な地域だけデータを入手して分析している市区町村もありました。
一方、ほとんど抽出していない自治体では、データを使わない理由として、次のようなことが挙げられています。
- 仮に抽出しても、住民からの要望より優先して交通安全施設を整備する根拠になりにくい。
- 住民からの声や通学路合同点検により抽出できていると思っている。
- データの使い方が分からない。
- 民間データを買う予算がない。
このように、データを活用できる体制やスキル、予算の有無が、市区町村ごとの取組みの違いの一因になっていることがわかります。

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