
生活道路での交通事故を減らすには、限られた予算や人員の中で、どこに優先的に対策をとるべきかを明確にする必要があります。そのために重要なのは、事故多発箇所や事故が起きそうな箇所(潜在的高リスク箇所)を正確に把握することです。
国が定めた第11次交通安全基本計画でも「ビッグデータを活用して潜在的な危険箇所を解消する」と明記されています。
しかし、総務省行政評価局が行った「生活道路における交通安全対策に関する政策評価」の結果報告書によると、現状の交通安全対策について、次のような問題が指摘されています。
事故多発箇所の把握状況
事故多発箇所を「おおむね全域で把握している」と答えた市区町村は19.6%にとどまり、「ほとんど把握していない」が30.3%と、把握が十分でない市区町村が多くみられた。
市区町村が事故多発箇所を把握する方法としては、交通事故統計情報のオープンデータの活用する方法のほか、警察庁が令和6年8月に公開した事故多発地点解析ツールを使うことが効率的である。
事故が起きそうな箇所の把握状況
事故が起きそうな箇所について、「おおむね全域で把握している」と答えた市区町村はわずか5.3%で、「ほとんど把握していない」が62.0%と、事故多発箇所以上に把握が進んでいない。
事故が起きそうな箇所を把握するために有効なのが、国土交通省が保有するETC2.0の情報である。この情報は、交通安全対策を広い範囲で面的に行う「ゾーン30プラス対策」を中心に提供されているが、市区町村からの要望があれば、これ以外の場合にも提供可能とされている。
しかし、この柔軟な運用が十分に周知されていないため、「ゾーン対策を実施する地域でなければ情報提供を受けられない」と誤解している市区町村がみられた。
実際には、ゾーン対策に限定せず、広域的に事故が起きそうな箇所を把握する目的でETC2.0の情報を手に入れている市区町村もあり、「幅広く活用できれば効率的・効果的な施設整備につながる」との意見も聞かれた。
このような状況を踏まえると、国土交通省は、ゾーン対策を前提としないETC2.0 情報の提供の要望にも対応できることを市区町村に周知することが必要と考えられる。
なお、事故が起きそうな箇所を把握している市区町村とそうでない市区町村について、令和元年から 4 年までの事故減少率の平均を比較したところ、両者に差があるとは言えない結果となった。
総務省は、事故リスクが高い所についてデータを活用して把握するよう推進したいようです。理屈的にはそのとおりと思います。皆さんはどう思われますか。

コメント