日本の交通事故の現状

 日本では、自動車が8,000万台以上、自転車が7,000万台近く保有され、今日もまた、全国の様々な場所で交通事故が起きています。

 ニュースでは、小さな子どもが亡くなった事故、多数の死傷者が出た事故などが幾度となく取り上げられ、近年では、令和3年に千葉県八街市で下校中の小学生の列にトラックが突っ込んで5人が死傷するという痛ましい事故も発生しています。

 いったい、日本では、毎年、どの位の交通事故が起きているのでしょうか。
 内閣府の交通安全白書では、令和5年は人身事故が30万7,930件(下図のピンク色の線)発生し、24時間以内の死者が2,678人(下図の濃い青色の線)とされています。単純計算すると、一日当たり800件以上の事故が発生し、7人以上の方が亡くなっている計算になります。

≪出典:令和6年交通安全白書(内閣府)≫

 この数が多いのか少ないのか一概には言えないですが、長期的にみると、事故件数(上図のピンク色の線)は、平成16年の95万件をピークに年々減少を続けています。これは、人口の減少や警察・自治体など関係者による交通安全対策への取組が一因とみられます。
 しかし、令和5年は、19年ぶりに前年(30万839件)よりも増加しています。令和元年頃からは、新型コロナの影響で外出する機会が激減し、事故件数が減っていたことは容易に想像がつきます。
 今後、再び事故件数が減少していくのか、令和5年が転機となって事故が増加していくのか、気になるところです。

 ちなみに、外国と比較すると、日本は、人口10万人当たりの事故死者数が2.6人で、主要国の中で4番目に少ないです。

≪出典:令和6年交通安全白書(内閣府)≫

 状態別事故死者数(事故で亡くなった方がどのような状況で事故に遭ったか)をみると、日本では、「歩行中」と「自転車乗用中」を合計したものが5割以上を占め、欧米諸国の2割~3割程度に比べて高いです。

≪出典:令和6年交通安全白書(内閣府)≫

 外国と比べると、日本では、人口当たりの事故死者数が少なく、国民性を考えると「やっぱりそうか」と納得はしたものの、状態別事故死者数において歩行者・自転車といった交通弱者が占める割合が高いのは「なぜなんだろう…」と疑問がわきました。
 これから、いろいろ調べてみたいと思います。

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