幹線道路と生活道路での交通事故の状況

 道路を大きく2つに分けると、幹線道路と生活道路に区分できます。

 幹線道路は、国道や都道府県道、高速道路など地域の主要な都市を結ぶ道路で、道幅が広い、交通量が多い、スピードが出しやすい、センターラインがあって車線がいくつもあるといったイメージです。

 それに対して、生活道路とは、地域の住民が日常生活(買物、通学・通勤など)で利用する住宅地や商店街などに存在する身近な道路のことです。
 幹線道路と違って、センターラインがなく、道幅が狭い、見通しが悪い道路が多いのが特徴です。車の通行よりも、歩行者や自転車の安全確保が優先される道路とされています。
 国内にある道路の総延長123万kmのうち104万kmが市町村道であり、その多くが生活道路に当たるとみられます。

 幹線道路と生活道路に分けて、交通事故の増減を調べてみました。
 すると、いずれの道路でも事故は長期的に減ってきてはいるのですが、なぜか生活道路は幹線道路に比べて、数ポイントですが減少率が小さいのです。

≪出典:国土交通省HP≫                               

 事故で亡くなった方の状況をみると、その半数が歩いたり自転車に乗っているときに事故に遭っています。さらに、このうちの半数が自宅から500m以内の場所で亡くなっています。
 通勤・通学や買い物などで日常生活を過ごしているときに、自宅近くの生活圏で事故に遭っていることが想像できます。気をつけないといけないですね。  

≪出典:国土交通省HP≫

 以前、日本では欧米諸国に比べ、交通事故で亡くなった方のうち、交通弱者(歩行者・自転車)が占める割合が高いと書きました。これは、生活道路で事故に遭う方が多いことが背景にあるように思います。 

 生活道路が幹線道路に比べ、事故減少率が小さい原因はどこにあるのでしょうか。また、生活道路と幹線道路とで、何か交通事故防止のための対策の違いがあるのでしょうか。
 いろいろ調べてみたいと思います。

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