
総務省が行った「生活道路における交通安全対策に関する政策評価」では、市区町村の人口規模別に生活道路での人身事故件数や事故の増減率を分析しています。
人口規模別の交通事故件数
全国の1,741市区町村を「5 万人未満」「5 万人以上 10 万人未満」「10 万人以上 20 万人未満」「20 万人以上50万人未満」「50 万人以上」に区分して令和4 年の生活道路での人身事故件数を見てみます。
人口区分ごとの平均事故件数は、「5 万人未満」が7件、「5 万人以上 10 万人未満」が41件、「10 万人以上 20 万人未満」が92件、「20 万人以上50万人未満」が247件、「50 万人以上」が847件となっていて、人口が増えるにしたがって事故件数も増えていっています。まあ、当然のような気がします。
次に、各人口区分内の市区町村における最多事故件数と最小事故件数を見ていきます。
「5 万人未満」の区分では、最も多い市区町村では74件の事故が発生していたのに対し、最も少ない市区町村では、1件の事故も発生していませんでした。
「5 万人以上 10 万人未満」の区分では、最も多い市区町村で204件の事故が発生していたのに対し、最も少ない市区町村では5件しか事故が発生していませんでした。40倍以上の差があります。
「10 万人以上 20 万人未満」の区分では、最も多い市区町村で314件の事故が発生していたのに対し、最も少ない市区町村では18件しか事故が発生していませんでした。ここでは、17倍以上の差があります。
「20 万人以上50万人未満」の区分では、最も多い市区町村で684件の事故が発生していたのに対し、最も少ない市区町村では56件でした。12倍以上の差があります。
「50 万人以上」の区分では、最も多い市区町村で2,841件の事故が発生していたのに対し、最も少ない市区町村では273件でした。その差は10倍以上です。
このように、同じような人口でありながら、市区町村によって事故件数に大きな差があることがわかります。
なぜ、このようなことになっているのか。総務省の報告書では、その要因について触れられていません。その要因を想像してみると、自動車の保有台数や交通量、生活道路の総延長距離、人口密度、市街化率、交通ルールの順守意識など、様々な要因があるのではないでしょうか。
人口規模別の交通事故件数の減少率
続いて、人口区分ごとに令和元年から令和4年にかけての平均事故減少率を見ていきたいと思います。
「5 万人未満」の区分では25.0%、「5 万人以上 10 万人未満」の区分では21.0%、「10 万人以上 20 万人未満」の区分では25.1%、「20 万人以上50万人未満」の区分では20.6%、「50 万人以上」の区分では18.6%の減少となっています。
全ての区分で事故が減少していて人口区分ごとの大きな違いはありませんでした。


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