市区町村の交通安全対策は事故減少に効果を挙げているのか

 総務省行政評価局が行った「生活道路における交通安全対策に関する政策評価」では、市区町村が行っている生活道路での交通安全施設の整備の取組について、実際に交通事故の減少に結びついているかを分析しています。

交通事故発生状況を把握しているかどうかと事故の減少率の関係

 交通事故発生箇所を把握している市区町村とそうでない市区町村について、令和元年から4年まで
の事故減少率の平均を比較しています。
 その結果、把握している市区町村は24.3%減少しているのに対し、把握していない市区町村は20.5%の減少にとどまっています。事故発生箇所を把握している市区町村の方が事故減少率が高くなることが示唆される結果になっています。

交通安全施設の整備箇所を選定する際に交通事故の実績を踏まえているかどうかと事故減少率の関係

 交通安全施設を整備する箇所を決める際に、交通事故の実績に関するデータを何らかの形で活用している市区町村とそうでない市区町村について、令和元年から4年までの事故減少率の平均を比較しています。
 その結果、活用している市区町村が24.2%減少しているの対し、活用していない市区町村は19.9%との減少にとどまっています。事故の実績に関するデータを何らかの形で活用することが事故の減少に効果的であることが示唆される結果になっています。

整備する交通安全施設の種類を決定する際に交通事故の内容を踏まえているかどうかと事故の減少率の関係

 整備する交通安全施設の種類を決める際に、交通事故の内容を何らかの形で活用している市区町村とそうでない市区町村について、令和元年から4年までの事故減少率の平均を比較しています。
 その結果、活用している市区町村は24.0%減少しているのに対し、活用していない市区町村は17.2%の減少にとどまっています。事故の内容を何らかの形で活用することが事故の減少に効果的であることが示唆される結果となっています。

 交通事故に関する情報を踏まえた上で、交通安全施設を整備する箇所や整備する施設の種類を決めることが事故の減少につながるようですね。

 事故が発生している箇所に向けて対策を講じることは当たり前のように思います。現に事故が発生しているということは、それなりに事故のリスクが高いのではないでしょうか。特に、何度も事故が発生している事故多発箇所は、特にリスクが高いと思われます。こういったことを踏まえて対策を講じている市区町村の方が事故減少率が高くなっているのは当然のように感じます。 

 発生した事故の内容を把握した上で、それに応じた交通安全施設を整備することも当たり前のように思います。例えば、事故現場では交差点があることがわかりにくいのが原因で事故が発生しているのであれば、交差点があることをわかりやすくするための施設(交差点のクロスマークなど)を整備することが事故防止に効果的なはずです。
 事故の内容を踏まえて対策を講じている市区町村の方が事故減少率が高くなっているのは当然のように感じます。 

 総務省の分析結果は、ごく自然でもっともなように思いました。

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