近年、自転車事故が社会問題として注目されています。
ちなみに、自転車は、法律上、「軽車両」に当たり、自動車と同じように交通ルールを守る義務があります。
自転車関連事故の件数は、長期的に見て、減少傾向ではあります。令和4年は69,985件で、平成15年の182,049件に比べると、半減しています。
しかし、全ての交通事故に占める自転車関連事故の割合は、近年、増加傾向になっていて、令和4年では23.3%を占めています。

自転車と歩行者との事故に限ってみると、長期的には概ね横ばいとも言えますが、平成28年以降だけ見ると増加傾向になっています。交通事故件数が長期で減少傾向となっている中で、問題視されているのですね。

自転車関連事故を年齢層別にみると、10~19歳が26%を占めて最も多く、学生が通学に自転車を使っていることが影響していることが想像できます。10歳未満と80歳以上が少ないことを除けば、概ねすべての年齢層で満遍なく事故が起きています。
自転車と歩行者との事故により歩行者が死亡又は重傷を負ったケースをみると、衝突地点は、歩道上が約4割もあります。歩道を歩いていても安心していられないですね。特に、小さい子供がいる親としては心配になります。


自転車関連事故(死亡・重傷事故)のうちの約75%で自転車側にも法令違反あり、交通ルールが遵守されていれば、悲惨な事故の防止につながった可能性があると言われています。
事故の例として、次のようなものがありました。なかなか、ひどいなと感じます。
自転車が歩行者専用道路を走っている際、イヤホンを付けて音楽を聴きながら、右手は飲み物を持ったままでハンドルを握り、左手でスマートフォンを操作。その結果、前方の歩行者に気付かず衝突して死亡させた。
飲酒して信号無視で交差点に進入。その結果、二輪車と衝突して相手に重傷を負わせた。
有識者や国民から、次のような厳しい指摘がなされています。
いまだに自転車は道路を逆走し続けており、左側通行すら守れない‼
自転車が非常に危ない。交通ルールを乱していても、警察は、実質上何の取締りもできていない‼
自転車利用者の意識を変えるぐらい警察が徹底的に取り締まるべきである‼
このような指摘以外でも、警察が行った国民へのアンケート調査(令和3年)において、6割以上の国民が「悪質な違反者に対する指導取締り」を切望しています。
とにかく、自転車は交通ルールを守らないこと、ルールを知らないことが問題で、このことが事故を引き起こす原因にもなっています。
自転車は歩行者と同じような感覚で乗っていてはダメなのです。自転車は車と同じ車両の仲間であり、車と同じ感覚を持って交通ルールを守らないと許されない時代になっています。
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